基金設立について -基金設立の背景-

CATEGORY壱基金
「設立理由」
大々的に報道されたように、私は2004年12月に南アジアを襲った津波の際、あやうく死ぬところでした。幸い、私と家族は危険を避けることができ、無事でした。
しかし、あの混乱を切り抜け、津波による大破壊を目の当たりしたことは、私を永遠に変えてしまう体験でした。モルジブで回復を待つ間、私は、援助が出来る人は誰もかれも積極的に手をさしのべるのを見て深く心を動かされました。だれも「どこの出身ですか?」「国籍は?」などと聞きませんでした。私は思ったのです:このような精神を持ち続け、人類全般に手をさしのべるために、昔からの国境を越えることはできないだろうかと。
私の心の奥深くで、もっと何かしなければならないという気持ちを駆り立てられたのです。
私は、新しい国際的な救済機関の設立を提案したいと思います。それは「ワン・ファウンデーション(ワン基金)」といいます。これは過去何年かの間ずっと私の心にあったことです。しかし今回の大惨事に遭遇するまで、実行に移そうという勇気がありませんでした。
この基金を設立することは、私が今まで行ってきたことよりも困難なことだと思っています。大惨事が起こった日の夜、私は眠れませんでした。一晩中瞑想しました。
設立の道がどれほど困難であろうとも、私は全てを捧げていく決心をしました。「ワン・ファウンデーション」設立に向けて、決して躊躇せず進むつもりでいます。基金の必要性は疑問の余地がないからです。今こそその時がきました。

「理念」
「ワン・ファウンデーション」の基本理念は単純です。

1人+1ドル+1ヶ月(毎月)=1(大)家族

意味は、出来る人一人一人が毎月1ドル献金します。一人一人は一つの世界としてつながっています。他の人に示すあなたの思いやりが最後にはあなたに返ってくるのです。

「ワン・ファウンデーション」の目的は、自然災害で被害を受けた人々を救援することを主な目標とする機関を立ち上げることです。自然災害は不可避のもので、大規模な破壊をもたらすものであるのは歴史が教えてくれています。ただ、いつどこで起こり、だれの生命が危険にさらされるのかは予測がつきません。自然災害に国境はありません。地球上の誰もが避けられないのです。自然災害の前に私達は皆同じく無防備なのです。だからこそ国境、人種、宗教、年齢や政治体制を越えて団結しようではありませんか。つまり、昔からの国境を越えて一つになろうではありませんか。
ご承知のように、世界には5つの大陸があります。私達は地理的にそのように分けられています。しかし、地球をずっと高いところから見下ろせば、そこには一つの地球しかありません。皆、地球に住む者達です。地球を人体と考えてみてください。5大陸を人体の5つの主要な臓器と考えて下さい。もし1つの臓器に何かが起きたら、他の臓器も影響を受けるのです。
地球の人口は現在、64億ほどです。このうちの10%が毎月1ドル募金することに同意すれば、毎年何百万ドルも集めることができます。これが何年も何世代も続ければ、毎月1ドルはものすごく大きな影響を及ぼすことができます。
募金が呼吸をするように、また日用品を買うように簡単にできるようなシステムを作りましょう。私達の目標は、出来るだけ簡単に毎月1ドルを募金することです。さらに、「ワン・ファウンデーション」は、思ったよりも寛大さや団結、そしてチームワークが可能であることを、世界に知ってもらうための募金活動イベントを行います。私達は、自分が思っているよりも多くのことができるのです。人間家族として、思いやりのいままでの記録をすべて破ってみませんか。
私は、自分の時間やお金を捧げることは全人的な行動だと思っています。直接の効果は困っている人々を助けることですが、地球家族に貢献することで、自分が何かもっと大きなものの一員であるという実感が得られます。思いやりを示すことで、自分や自分の家族に何が起きても、決して自分は一人ではないという実感が得られるのです。これはお金では得られない感覚です。他の誰かを助ければ、あなたが何らかの援助を必要としたとき、この地球家族があなたを助けに来てくれると信じられるのです。あなたは常に地球家族の一員なのです。そしてその手段は、援助を与えようと欲しているので無限なのです。地球家族の他の人々に援助の手をさしのべる時、あなたは最終的に恩恵を受けるのは自分だと分かるのです。
私達は、自然災害の被害者に、写真やニュースが出てから援助をすることがほとんどです。このような自然災害は必ず起こると分かっているのですから、前もって援助を行えるように用意された世界的な基金を設立しようではありませんか。自然災害が起こったとき、「ワン・ファウンデーション」は迅速に計画を行動に移し、援助をすぐに送ります。共に後生に残る遺産を作りましょう。これから先の何世代もの人たちも支える長期的に援助を与えられる永久的な基金を作ろうではありませんか。
「ワン・ファウンデーション」は中国・香港で作られる予定です。私の祖国は世界の5分の1の人口を抱えており、他の主要な国々と共に範を示す責任があります。中国・香港から、「ワン・ファウンデーション」はアジア、ヨーロッパ、アメリカそして最終的には世界中に広がっていきます。
この基金の主な業務は以下のように分類されます。

・緊急救助と対応
・災害後の回復、再建と災害予防
・長期的支援、特に心理的、心的外傷への支援

長期的支援は必要かつ最も重要なことです。私の幼い娘達もモルジブでの津波の際、私と一緒にいました。すでに彼女達に、海や水への恐れがつのるといった、心的外傷ストレス症状が見られます。これを見て、大災害によって引き起こされる深い心の傷や心理的な影響が物理的な被害と同じくらい破壊的なことに、私はショックを受けました。喪失感や悲しみは長い間残り、和らぐのは困難です。長期的支援は、被災者が喪失感に向き合い、生活を立て直す援助をする上で不可欠です。
いつものように、私はお説教をするつもりはありません。皆さんが共に、お互いを、そして自分自身を助けるという考えを分け合いたいだけなのです。
「ワン・ファウンデーション」を実現するために、基金や非営利団体を設立運営する知識に長けた専門家の協力を求めています。さらに、医療の専門家、弁護士、銀行家、政治家、その他援助をしたいと考えているあらゆる方々の援助を必要としています。この人道的な使命を実現するために、「ワン・ファウンデーション」の広範囲に渡る計画には、多くのボランティアが必要です。私が「ワン・ファウンデーション」の設立や進展を広報、宣伝するための援助を、世界中のメディアがしてくれることを希望しています。そして、「ワン・ファウンデーション」の活動や基金の利用が公正であるかを公的にチェックしてくれること希望しています。

「ワン・ファウンデーション」のサイトは制作中です。完成までの間、私に色々な提案やご意見をjetli.com.1@gmail.comまで送って下さい。さらに、jetli.comの私のサイトで今後も最新情報を見てください。何か専門知識があれば、皆さんのご意見を伺いたいと思います。みなさんの時間やお金を寄付してくださるのなら、「ワン・ファウンデーション」の理念をご理解いただき、ありがとうございます。しばらくお待ち下さい。またすぐに皆さんに基金に関してお知らせをしたいと思います。
(たいやん注:ワン・ファウンデーションのサイトは現在既に完成しております。)

後記

「ワン・ファウンデーション」の理念
今回の不運な災害がもたらした被害の大きさは、以前に見たこともない規模のものでした。それに応えて、すでに世界中から以前にないほどの支援、同情、愛が注がれています。この溢れるばかりの無私の思いやりは、すでに国境を越え、世界がいかに愛情深いものかを示してくれました。私はとても謙虚な気持ちです。そして、この愛情と思いやりこそが、この先永遠に受け継がれていってほしいものなのです。この温かさと思いやりを何世代にも渡って引き継いでほしいのです。人間の愛の大きさが、1つの大家族であるという感覚が、永遠に続くことを示しましょう。

訳:たいやん
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